はじめまして、日本とジョージアの2拠点生活をしているシャンディです。
1年の半分ほどをジョージアにて過ごしています。
日本人の99%が行かない国と言われながらも、旅好きの間ではジョージアではなくグルジアと呼ばれていた頃から人気のあった国。
2019年からSNSを中心に人気に火がつき、大手牛丼チェーン店の松屋さんがジョージア料理のシュクメルリを期間限定メニューとして出したことで、一般の人たちにも広く認知されるようになりました。
物価が安く長期滞在に適していることから、日本人の移住者が増えているジョージア。
魅力ばかりではなくデメリットも発信すべきだという声もたまに聞くので、実際のところがどうなのか現地で宿を運営する人間として考察してみたいと思います。
SNSで発信されるジョージアの魅力とは
ジョージアは物価が安い
実際に生活していて物価は本当に安いと感じます。
- 電車:¥20
- 家賃:¥20,000前後から滞在可
- ワイン:1リットル¥100から
ジョージアの地下鉄
首都トビリシ市内は、本当に電車が¥20で利用できます。
¥20〜ではなく固定で¥20、現地通貨で0.5ラリを入場時に払えば地下鉄はどこの駅で降りても大丈夫。
バスとの乗り継ぎも制限時間以内であれば追加料金がかからないため、移動費は本当にかからないです。
ジョージアの家賃事情
よく質問されて困るのがこの家賃、求めているクオリティが人によって異なる上、ゲストハウスにしか泊まったことがなく家を借りたことがないからです。
参考までに運営しているカカシハウスのドミトリー、2週間以上の長期宿泊者であればパン食べ放題、ワイン飲み放題がついて1泊5ドルに設定しています。
選ばなければ家賃を極端に抑えることもでき、タワーマンションのように日本で高級とされる場所に家具付きで住む場合も安いのは事実です。
安くて美味しいジョージアのワイン
8,000年の歴史があるジョージアのワイン、日本で買うとボトル1本¥3,000前後。
現地ジョージアのスーパーではボトル1本¥300前後で販売されているのをよく見かけます。
ボトルではなくお店で量り売りしている生ワインはさらに安く、ゲストハウスの近くでは1リットル¥100で販売している店舗も実際に存在しており、宿泊者に人気です。
長期滞在に適しているジョージア
2019年の日本で火がつく以前から、物価が安いため予算を少しでもおさえたい長期旅行者に人気だったジョージア。
もう1つ人気だった理由がビザなしで360日滞在できることです。
これまで50ヶ国以上を旅をしてきましたが、物価が安くて快適な国は他にもありました。
ただビザの関係で長期滞在しにくいのも事実だったので、ビザを気にすることなく長期滞在できる点がジョージアが人気の理由の1つだと思います。
ワイン含めてジョージア料理が美味しい
冒頭でもふれたジョージア料理シュクメルリをはじめ、美味しい料理がたくさんあります。
特にチーズやニンニクを使った料理が多く、味が濃く大雑把な料理が多いです。
物価が安いこともあり、ジョージア料理をお腹いっぱい食べてワインを飲んだあとのお会計が安くてビックリすることが多々あります。
銀行の金利がいいジョージア
金利を気にしてジョージアにきた訳ではないので、あまり詳しくはないのですが日本と比較して相当高いジョージアの銀行。
外国人の銀行口座開設が他国と比較して容易であり、条件さえ満たせば年利8%〜12%前後になることもあるようです。
ただ現地通貨ラリの為替変動が激しいため、日本からお金を預けたところで減る可能性もあるのでご注意を。
サウナがたくさんあるジョージア
個人的にジョージアで勧めたいポイントがサウナが多く、仲間うちで貸切利用ができること。
海外のサウナは日本のように水風呂がセットになっている場所が少ないため、水風呂が用意されているジョージアのサウナはサウナ好きとしてはたまりません。
公衆浴場からハイエンドな高級サウナまで楽しむことができます。
ジョージアの実際のところはどうなのか
前置きが長くなりましが、本題のジョージアで悪いとされる部分について。
日本ですら住んでいて嫌なところがないと言う人はいないと思いますが。
街中に犬が多いジョージア
ジョージアは野良犬を殺処分せず、去勢手術と狂犬病予防の注射をして町に戻しているため確かに街中に野良犬が多いのは事実。
対策済みの犬の耳には黄色いタグがついてますが、狂犬病関係なく街中で犬に吠えられたり追いかけられるのは犬が苦手な人にはストレスです。
日本と比較すれば野良犬は多いですが、狂犬病予防されていない野良犬が多い国を他にたくさん見てきたので、どちらかというと好感がもてました。
車の運転が荒いジョージア
タクシー運転手さんの当たり外れが激しいです。
そしてタクシーだけではなく、全体的にトビリシ市内の運転は荒い傾向にあります。
運転免許は手続きをすれば日本人がジョージアで運転することもできるようですが、トビリシ市内は事故せず走る自信がないので諦めています。
地下鉄のクオリティについて
自分でも無理やり悪いところを見つけている感じがしますが、人によっては不満に感じそうなので一応。
基本的にエスカレーターがとても長く、駅のホームに行くまでに時間がかかります。日本でいうところの大江戸線ぐらい。
3分に1本ぐらいの感覚でやって来る電車の本数には大満足ですが、乗車中は音と揺れがすごく隣の人と会話することも難しく、停車時には立っているとコケそうになります。
周りの日本人に聞いたジョージアの不満
そもそも不満がほとんどないため拠点を作ったジョージア。
自分1人の意見では参考にならないと思い、ゲストハウスに滞在する日本人に嫌なところがあるか聞いてみました。
- 景色が全体的に茶色い
- 文字が何を書いてるか予想つかない
- 辛いものがメニューにない
- 古い建物の夜の廃墟感が怖い
言われてみると確かにと思うことですが、まぁ、という感想でした。
ネットで収集したジョージアの嫌なところ
ゲストハウスの日本人たちの意見が参考にならなかったので、ブログやSNSで情報を集めてみました。
- 物乞いが多い
- 差別がある
- ジョージア人がマイペースで自己中心的
- レストランのサービスレベルが低い
- 優しい人ばかりではない
なるほどと思う反面、自分自身は感じたことがないことばかりでした。
すべて「日本と比較して」をつければ、納得できるような気がします。
「差別」については伝統的な価値観が重視されるため、同性愛については厳しいようで同性同士の恋愛を描いた「ダンサー そして私たちは踊った」は、ジョージア正教会が上映中止を求める騒動にまでなったそうです。
「優しい人ばかりではない」にいたっては、そりゃそうですよねとしか言いようがなく、日本でも優しくない人や詐欺師まがいの人なんてたくさんいます。
運がいいのか、ただ優しい人が多いのかはわかりませんが、少なくとも今まで関わってきたジョージア人は本当にいい人たちばかりでみんな大好きです。
なぜネガティブ情報を発信しないのか
完全に主観ですが、単純に好きでジョージアにいて楽しさを発信しているので、ネガティブな面をそもそも感じていないような気がします。
ネガティブな情報は拡散されにくい
そしてSNSにおいてネガティブ情報が積極的に拡散されることが少ないことも要因の1つかもしれません。
炎上するようなネタ以外、日頃の愚痴やネガティブな情報を見たい人は少ないので需要がないです。
実際ジョージア在住者の発信内容をみていると愚痴っぽいツイートもみますが、拡散されることがないので不特定多数には届かないのでしょう。
発信している人は世界と比較している
99%の日本人が訪れない国と言われるだけあって、ジョージアに実際に訪れている人には世界各地を巡った経験があるコアな旅行者が多いです。
- 物乞いが多い
- ジョージア人がマイペースで自己中心的
- レストランのサービスレベルが低い
先ほど「日本と比較して」と書きましたが、日本だけでなく世界と比較したとき、ジョージアより物乞いが多い国はたくさんあります。
サービスレベルについても、マイペースさにしても同様です。
不満を言う人が滞在していない
少し強い言い方かもしれませんが、自国ではなくよその国にお邪魔している身。
不満を言うぐらいなら出ていけばいいし、実際に不満だったり肌にあわなかったら出ていってるのではないかと思います。
「日本人にオススメ」と書いたところで日本人を一括りにできる訳もなく、生活スタイルや幸せに感じることは異なるので、合う人には合う、合わない人には合わない、ただそれだけのことです。
さいごに
利用者の中にはただ旅行するだけではなく、ジョージアで起業する人たちも増えてきました。
外向けの発信では日本人たちでただワイワイしているだけに映ることもありますが、みんなジョージアにお邪魔させてもらってる身として、お店を作ってジョージア人の雇用を積極的に産み出そうとしていたり、近隣の人たちと積極的に交流したりと、自分たちにできることを最大限に取り組んでいる印象です。
100人いれば100通りの感じ方があっていいので、ジョージアに興味があるという人は、自分に近い考え方だったり、生活スタイルを送っている人の発信を見つけることができればベストですね。
日本人はYesManと言われる程に普段からNoを言わず、世界的に見ても個々人が奥ゆかしくて個々人がそれぞれに衝突を避ける為に知恵を絞って来た国民性です。感謝ばかりで本当に不満が無い人も多いですが、文句が有るならば帰れば良いと言われるのは悲しいですし、自分の言葉が攻撃を受けない様に慎んでいる人も多いだろうと思います。
警察も不法滞在者だけではなく、キリスト教徒以外及び黄色人種を嫌うジョージア人が多くて、特にキリスト教徒以外の外国人の締め出しには熱心です。地方にもよると思いますが、キリスト教徒でない限り、文化が違い過ぎて許せないとか、仲良く暮らす事に支障を感じているジョージア人も多い気がします。
ジョージア政府或いはジョージア企業の要請で仕事に来ている方々は別ですが、公的に招聘されている訳ではない長期滞在者を昔から許さなかったからこそ、ジョージア共和国独自の文化と治安を守って来れたのだと思います。表向きはどんな旅行客でも完全にオープンですが、通過しない長期滞在客の締め出しに工夫を凝らして来た長い歴史と知恵を考えると、ジョージア人による「通過しない外国人」に対する嫌がらせが取り沙汰するに及ばないと感じられるかも知れません。皆がジョージア人を良く理解して、不満が募らない様に頑張るべきだと思います。
秘密を守るのがジョージア共和国の伝統だとジョージア人が教えてくれましたが、実際にジョージア共和国は外国人には知らされない秘密が多いです。自国民だけが得をするシステムが有ると言うべきかどうかは分かりませんが、「勝利!」に似た挨拶が何だか自国民だけの合言葉の様で、誰でも見られるインターネット上には真実を載せない事が多い様です。特に不動産関係には虚偽情報が多い為、地元民は地元民のコネクションでインターネット上に掲載が無い安全な物件を見つけられるそうですね。余所者には「既に契約済み」等の嘘を言ってでも断るケースも多い様です。地元民に協力を仰げない場合にはずっとホステルに滞在する方が賢明な事が有ります。私もカカシハウスに長らくお世話に成る事が有ると思われますので、不平不満ばかりの厚かましい奴だと思いますが、ご縁が有りましたらどうか宜しくお願い申し上げます。m(_ _)m
色々と情報ありがとうございます!とても勉強なります。
「文句が有るならば帰れば良い」の表現でもし気づいてたりしたら申し訳ないです。が、本音であることも事実です。もちろん細々した「あれがあったらいいのになぁ」とか、「もう!」って思うことも生活してたらありますが、だからって「ジョージアが嫌い」とか「ジョージアはいいところばかりじゃない!」ってわざわざ発信するぐらいなら別の自分にあった国や日本でいいのにと思っています。
カカシハウスもそういえば不動産サイト等ではなく、現地のジョージア人との直接交渉で借りた物件だし、その後につながっている関係も基本的には現地ジョージア人の口コミ紹介でつながっていってるので、確かにと思うコメントと気付きでした。
だからこそ僕はジョージアの人たちのことを本当に好きだし、どうにか一緒になにかやっていけないかと日々試行錯誤しているところです。
そんなわけで僕は一般的なジョージアの不動産サイトとかサービスとかあまり詳しくないんですよね。使ったことがないのでそりゃそうですよね。
カカシハウス にいるときと日本にいるときがあるのでタイミングがあえばになってしまいますが、是非ともtwitterなり、なんなりとお声がけいただければと思います!
コメントありがとうございました!