GTMエンジニアという働き方。AIで1人が3チーム分をこなす時代へ
先日おもしろい記事を見つけた。
GTMエンジニアという職種の話だった。海外のスタートアップ界隈では、すでに引っ張りだこらしい。
名前を初めて聞いたときは「また新しい横文字が増えたな」と思った。でも読み進めるうちに考えが変わった。これは自分が今まさにやっていることだったから。

そもそもGTMエンジニアとは
GTMは「Go-To-Market」の略。プロダクトを市場に届けるための戦略とオペレーション全体を指す言葉だ。
これまで営業、マーケティング、カスタマーサクセスに分かれていた仕事を、AIを使って1人で回す。それがGTMエンジニア。


おもしろいのは「コードが書ける営業」でも「営業がわかるエンジニア」でもない、という点。あくまで第三のカテゴリーとして語られている。
GTMエンジニア=AIを前提に、営業・マーケ・カスタマーサクセスを1人で横断する役割。「3番目の職種」として注目されている。
なぜ今この役割が生まれたのか
理由は大きく2つある。
1つはAIツールの進化。さまざまな業務ツールとLLMが「接着剤」のようにつながって、ツールをまたいだ作業が自動で回るようになった。
もう1つはスタートアップの現実。何人もチームを雇う余裕はない。だから「1人で全部やれる人」の価値が一気に跳ね上がった。

シリコンバレーの名門アクセラレーターY Combinatorでは、毎週AI勉強会を開いて最先端を共有しているらしい。それくらい本気で取り組まれているテーマだ。
1人で3チーム分をこなす
具体的な仕事内容はこんな感じ。
- ICP(理想の顧客像)の設計
- メール配信インフラの構築
- 見込み客リストの作成
- アカウント情報のエンリッチメント
- アウトバウンド営業の自動化
- 有望リードの振り分け
- インバウンドリードの評価
- 営業コールの分析
- CRMの設計
かつては3つ以上のチームが10人以上で回していた仕事。それをAIと一緒に1人で担うというから驚く。


ちなみにこの記事によると、海外での平均年収は日本円で3,000万〜5,000万円ほどとも言われている。テック業界でも屈指の高給ポジションらしい。
求められる3つの能力
同じ記事で挙げられていた能力はこの3つ。
- 営業サイクル全体の理解
入口から契約、その後のフォローまでの流れを把握していること。 - 技術的な思考力
APIやデータの流れ、ワークフロー設計をイメージできること。 - AIで実務を回した経験
ツールを実際に触って、成果を出した経験。

どれも、これから磨いていける力だと思う。生まれ持った才能の話ではない。
気づけば自分もGTMエンジニアだった
ここまで読んで、思い当たることがあった。
自分は今、合同会社ギルドでメディア運営からSNS運用、記事制作、システム構築まで1人で回している。営業もすれば、コードも書くし、AIに作業を任せて自動化もする。
役割を細かく分けず、AIを接着剤にして全部つなげる。まさにGTMエンジニアのやり方そのものだった。
特別な才能より「役割を分けず、AIでつなげる発想」が出発点。今の仕事を少しずつ自動化していけば、誰でも近づける働き方だと思う。
肩書きを知らなかっただけで、やっていることは同じ。世界がこの働き方に名前をつけてくれた、という感覚に近い。

AIに仕事を奪われるのではない
GTMエンジニアの話で一番しっくりきたのがここ。
AIが仕事を奪うのではなく、AIを使いこなす1人が10人分の仕事をこなす。奪われる側ではなく、使う側に回ればいいだけの話だ。
場所にとらわれず、1人で複数の役割を完結させる。これは自分がずっと目指してきた働き方そのものだった。

日本にこの波が来るのも時間の問題だと思う。来てから慌てるより、今から少しずつ自分のやり方をアップデートしておきたい。


